英語の関係詞には「制限用法」と「非制限用法」という2つの用法があります。特に非制限用法は、コンマの有無で意味が大きく変わる重要な文法ポイントであり、入試でも頻出です。この記事では、受験生のお子さんを持つ保護者の方に向けて、非制限用法の基本から実践的な使い方、入試対策までをわかりやすく解説します。
非制限用法の基本 – カンマで区切る関係詞の重要ポイント
非制限用法とは?初心者にもわかりやすく解説
非制限用法とは、関係詞(関係代名詞や関係副詞)を使って、先行詞に追加情報や補足説明を加える用法です。最大の特徴は、関係詞の前にカンマ(,)が置かれることです。
例えば、「My brother, who lives in Tokyo, is a doctor.」という文では、「who lives in Tokyo(東京に住んでいる)」という部分が「My brother(私の兄)」を補足説明しています。この文は「私の兄は東京に住んでいて、医者です」と訳します。
非制限用法では、カンマで区切られた関係詞節は、あくまで追加情報であり、なくても文の本質的な意味は変わりません。上の例でも「My brother is a doctor.(私の兄は医者です)」という主要な情報に、「東京に住んでいる」という情報を付け加えているだけです。
制限用法と非制限用法の決定的な違い
制限用法と非制限用法の最も重要な違いは、「先行詞をどのように扱うか」という点にあります。
制限用法:先行詞を限定・特定するために使われます。「どの~」かを明確にする役割があります。 非制限用法:すでに特定されている先行詞に、追加情報を与えるために使われます。
以下の例を比較してみましょう:
- 制限用法:「The students who passed the exam were very happy.」(試験に合格した学生たちはとても喜んでいた)
- 「who passed the exam(試験に合格した)」という部分が「The students(学生たち)」を限定しています。「試験に合格した学生たち」と「合格しなかった学生たち」を区別しています。
- 非制限用法:「The students, who passed the exam, were very happy.」(学生たちは試験に合格し、とても喜んでいた)
- すでに特定されている「The students(学生たち)」に「試験に合格した」という情報を付け加えています。この場合、すべての学生が試験に合格したことを意味します。
この違いは、大学入試でも頻出の問題となっています。非制限用法と制限用法の区別ができるかどうかで、英文の正確な理解が変わってきます。
カンマの有無が意味を大きく変える理由
非制限用法におけるカンマの役割は非常に重要です。カンマの有無によって、文の意味が大きく変わることがあります。
例えば、次の2つの文を比較してみましょう:
- 「My sister who lives in Osaka is a teacher.」(大阪に住んでいる私の姉は教師です)
- カンマがないため制限用法。「大阪に住んでいる姉」を特定しています。これは「私には複数の姉がいて、大阪に住んでいる姉は教師である」ことを意味します。
- 「My sister, who lives in Osaka, is a teacher.」(私の姉は大阪に住んでいて、教師です)
- カンマがあるため非制限用法。「私の姉」は1人しかおらず、その姉が「大阪に住んでいる」という追加情報を提供しています。
このように、カンマ1つで文の意味合いが大きく変わります。入試問題でも、このカンマの有無による意味の違いを問う問題が出題されることがあります。
非制限用法が入試でよく出題されるポイント
非制限用法は、大学入試や高校入試でよく出題される文法項目の一つです。特に以下のようなポイントが出題されやすい傾向にあります:
- 非制限用法と制限用法の意味の違い
- 同じ文でカンマの有無による意味の違いを問う問題
- 適切な関係詞の選択
- 非制限用法で使える関係詞(which, who, whom, whose, where, when)の適切な選択
- 訳し方の違い
- 制限用法と非制限用法での適切な日本語訳の違い
- 文法的な正誤判断
- 非制限用法での関係詞の省略可否など、文法的な正誤を問う問題
例えば、「The book, ( ) I bought yesterday, is very interesting.」のような空所補充問題では、非制限用法であることを見抜き、適切な関係詞(この場合はwhich)を選ぶ必要があります。
受験対策としては、非制限用法の基本的な特徴と、制限用法との違いをしっかり理解することが大切です。特に、カンマの有無による意味の違いを理解し、適切な関係詞の選択ができるように練習することが重要です。
非制限用法で使える関係詞とその特徴
関係代名詞(which, who, whom, whose)の非制限用法での使い方
非制限用法で使える関係代名詞には主に以下のものがあり、それぞれ使い方に特徴があります:
1. which(物・事)
- 物や事柄を先行詞とする場合に使用します
- 例:「The book, which I bought yesterday, is very interesting.」(私が昨日買った本はとても面白い)
2. who(人・主格)
- 人を先行詞とし、関係詞節の中で主語になる場合に使用します
- 例:「My father, who works for a bank, will retire next year.」(銀行に勤めている私の父は、来年退職します)
3. whom(人・目的格)
- 人を先行詞とし、関係詞節の中で目的語になる場合に使用します
- 例:「Mr. Smith, whom I met at the party, is a famous writer.」(パーティーで会ったスミスさんは有名な作家です)
- 口語ではwhoでも代用されることが多いですが、入試では区別が必要です
4. whose(人・物の所有格)
- 人や物の所有関係を示す場合に使用します
- 例:「My neighbor, whose dog barks all night, apologized to me.」(一晩中犬が吠える私の隣人が、謝罪してきました)
非制限用法での関係代名詞の選択は、先行詞が人か物か、また関係詞節内での役割(主格・目的格・所有格)によって決まります。入試問題では、適切な関係代名詞を選ぶ問題がよく出題されるため、それぞれの使い分けをしっかり理解しておくことが重要です。
非制限用法でwhichが多用される理由
非制限用法では、whichが特に頻繁に使われます。その理由はいくつかあります:
1. 先行詞が文全体になる場合
- 非制限用法では、先行詞が前の文全体になることがありますが、その場合は必ずwhichを使います
- 例:「He failed the exam again, which disappointed his parents.」(彼はまた試験に失敗した、そのことが両親を失望させた)
2. 固有名詞の後
- 都市名、国名、本のタイトルなど固有名詞の後の非制限用法ではwhichが一般的です
- 例:「Tokyo, which is the capital of Japan, is very crowded.」(日本の首都である東京はとても混雑しています)
3. thatが使えない
- 非制限用法ではthatは使用できません。物や事柄を指す場合は必ずwhichを使います
- 例:×「The book, that I bought yesterday, is interesting.」(誤り)
- 例:○「The book, which I bought yesterday, is interesting.」(正しい)
4. 多様な先行詞に対応できる
- whichは物や事柄だけでなく、状況や概念など幅広い先行詞に対応できます
- 例:「He won the race, which was a surprise to everyone.」(彼はレースに勝った、それは皆にとって驚きだった)
非制限用法でwhichが多用される理由を理解することで、英作文や長文読解での理解が深まります。特に先行詞が文全体になる場合のwhichの使い方は、上級レベルの英語表現でよく見られるので、しっかり押さえておきましょう。
関係副詞(where, when, why)の非制限用法での使い方
関係副詞も非制限用法で使うことができます。主な関係副詞とその使い方は以下の通りです:
1. where(場所)
- 場所を表す名詞の後に使用します
- 例:「Kyoto, where many temples are located, attracts many tourists.」(多くの寺院がある京都は、多くの観光客を引きつけます)
2. when(時)
- 時を表す名詞の後に使用します
- 例:「2020, when the Olympic Games were held in Tokyo, was a difficult year due to COVID-19.」(東京オリンピックが開催された2020年は、COVID-19のため困難な年でした)
3. why(理由)
- 理由を表す名詞(reason)の後に使用しますが、非制限用法ではあまり一般的ではありません
- 例:「The reason, why he quit his job, was never explained.」(彼が仕事を辞めた理由は、決して説明されませんでした)
- ただし、非制限用法ではfor whichを使う方が一般的です
- 例:「The reason, for which he quit his job, was never explained.」
関係副詞を使った非制限用法も、関係代名詞と同様にカンマで区切ります。特にwhereとwhenは入試でも頻出の関係副詞なので、使い方をしっかり覚えておきましょう。
非制限用法で使えない関係詞と注意点
非制限用法では使えない関係詞や注意すべき点がいくつかあります:
1. that
- thatは非制限用法では絶対に使えません
- 例:×「My car, that I bought last year, is very fuel-efficient.」(誤り)
- 例:○「My car, which I bought last year, is very fuel-efficient.」(正しい)
2. 関係詞の省略
- 制限用法では目的格の関係詞を省略できる場合がありますが、非制限用法では関係詞を省略することはできません
- 例:×「My teacher, I met yesterday, gave me some advice.」(誤り)
- 例:○「My teacher, whom I met yesterday, gave me some advice.」(正しい)
3. what
- whatは先行詞を含む関係代名詞のため、非制限用法では使用できません
- 例:×「The book, what I read yesterday, was interesting.」(誤り)
- 例:○「The book, which I read yesterday, was interesting.」(正しい)
4. 前置詞+関係詞の位置
- 非制限用法では、前置詞と関係詞を離すことができません(前置詞の後置は不可)
- 例:×「Paris, which I have dreamed of visiting, is beautiful.」(誤り)
- 例:○「Paris, of which I have dreamed visiting, is beautiful.」(正しい)
- ただし、口語では前置詞の後置も見られることがあります
これらの注意点は、特に入試問題で頻出します。非制限用法で使える関係詞と使えない関係詞の区別、また関係詞の省略ができないことなどを、しっかり覚えておきましょう。
わかりやすい例文で学ぶ非制限用法の実践
基本的な非制限用法の例文と解説
非制限用法の基本的な使い方を理解するために、いくつかの例文とその解説を見ていきましょう。
例文1:「My mother, who is a good cook, made a delicious dinner yesterday.」
- 解説:「who is a good cook(料理が上手な)」が「My mother(私の母)」を補足説明しています。「私の母は料理が上手で、昨日おいしい夕食を作りました」と訳します。
例文2:「This book, which I borrowed from the library, is about Japanese history.」
- 解説:「which I borrowed from the library(図書館から借りた)」が「This book(この本)」を補足説明しています。「図書館から借りたこの本は、日本の歴史についてのものです」と訳します。
例文3:「Tokyo Tower, which was built in 1958, is similar to the Eiffel Tower.」
- 解説:「which was built in 1958(1958年に建てられた)」が「Tokyo Tower(東京タワー)」を補足説明しています。「1958年に建てられた東京タワーは、エッフェル塔に似ています」と訳します。
例文4:「My English teacher, whose classes are very interesting, has been teaching for 20 years.」
- 解説:「whose classes are very interesting(授業がとても面白い)」が「My English teacher(私の英語の先生)」を補足説明しています。「授業がとても面白い私の英語の先生は、20年間教えています」と訳します。
これらの例文では、関係詞節がカンマで区切られ、先行詞に追加情報を与えています。非制限用法の関係詞節は「補足情報」であるため、その部分を取り除いても文の基本的な意味は変わりません。例えば、例文1は「My mother made a delicious dinner yesterday.(私の母は昨日おいしい夕食を作りました)」という基本的な意味があり、それに「料理が上手な」という情報が追加されています。
固有名詞と非制限用法の関係
固有名詞(人名、地名、建物名など)の後には、非制限用法が使われることが多いです。なぜなら、固有名詞はすでに特定のものを指しているので、さらに限定する必要がないからです。
例文1:「Mt. Fuji, which is the highest mountain in Japan, attracts many climbers every year.」
- 解説:「富士山」は日本で一つしかないため、すでに特定されています。「which is the highest mountain in Japan(日本で最も高い山である)」という情報は、補足説明として非制限用法で示されています。
例文2:「Einstein, who developed the theory of relativity, was born in Germany.」
- 解説:「アインシュタイン」という固有名詞は特定の人物を指しているため、「who developed the theory of relativity(相対性理論を発展させた)」という情報は補足説明として非制限用法で表現されています。
例文3:「London, where the Olympic Games were held in 2012, is the capital of the UK.」
- 解説:「ロンドン」という固有名詞の後に、「where the Olympic Games were held in 2012(2012年にオリンピックが開催された)」という補足情報が非制限用法で加えられています。
例文4:「Shakespeare, whose plays are read worldwide, was born in Stratford-upon-Avon.」
- 解説:「シェイクスピア」という固有名詞に、「whose plays are read worldwide(その戯曲は世界中で読まれている)」という情報が非制限用法で付け加えられています。
固有名詞の後の非制限用法は、入試で頻出するパターンです。特に有名な人物、場所、建物などについての補足説明が、非制限用法で表現されることが多いので、この用法に慣れておくことが重要です。
先行詞が文全体になる場合の非制限用法
非制限用法の特殊なケースとして、先行詞が文全体になる場合があります。このとき、関係代名詞はwhichを使い、前の文全体の内容を指します。
例文1:「He couldn’t come to the party, which disappointed everyone.」
- 解説:「which」の先行詞は「He couldn’t come to the party(彼はパーティーに来ることができなかった)」という文全体です。「彼はパーティーに来ることができなかった、そしてそのことが皆を失望させた」と訳します。
例文2:「She passed the difficult exam, which made her parents very proud.」
- 解説:「which」の先行詞は「She passed the difficult exam(彼女は難しい試験に合格した)」という文全体です。「彼女は難しい試験に合格した、そしてそのことが彼女の両親をとても誇らしくさせた」と訳します。
例文3:「The team lost the final match, which was a big shock to the fans.」
- 解説:「which」の先行詞は「The team lost the final match(チームは決勝戦に負けた)」という文全体です。「チームは決勝戦に負けた、そしてそれはファンにとって大きなショックだった」と訳します。
例文4:「He didn’t study for the test, which resulted in his failure.」
- 解説:「which」の先行詞は「He didn’t study for the test(彼はテストのために勉強しなかった)」という文全体です。「彼はテストのために勉強しなかった、そしてそれが彼の失敗という結果になった」と訳します。
この用法は、原因と結果の関係や、ある出来事とそれに対する反応などを表現する際によく使われます。先行詞が文全体の場合、関係代名詞はwhichのみが使用可能で、他の関係詞は使えないことに注意しましょう。
日常会話で使われる非制限用法の例
非制限用法は、日常会話や実際の英語の文章でも頻繁に用いられます。以下は、日常的な場面での非制限用法の例です。
例文1:「My brother, who lives in New York, is coming to visit next week.」
- 解説:日常会話で家族について話す際、「who lives in New York(ニューヨークに住んでいる)」という情報を補足情報として伝えています。
例文2:「This restaurant, which opened last month, serves excellent Italian food.」
- 解説:お店の紹介をする際、「which opened last month(先月オープンした)」という新しい情報を非制限用法で加えています。
例文3:「My new smartphone, which I bought online, has a great camera.」
- 解説:自分の持ち物について話す際、「which I bought online(オンラインで買った)」という購入方法を補足情報として伝えています。
例文4:「Our science teacher, whose explanations are always clear, is very popular among students.」
- 解説:学校の先生について話す際、「whose explanations are always clear(説明がいつも明確な)」というその先生の特徴を非制限用法で表現しています。
例文5:「Last summer, when I traveled to Europe, was one of the best times of my life.」
- 解説:過去の経験について話す際、「when I traveled to Europe(ヨーロッパに旅行した)」という情報を非制限用法で加えています。
日常会話での非制限用法は、情報を追加する自然な方法として使われています。これらの例文を参考に、実際の会話の中で非制限用法を使えるようになれば、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。
制限用法と非制限用法の違いを徹底比較
同じ文で比較する制限用法と非制限用法の意味の違い
制限用法と非制限用法の違いをより明確に理解するために、同じような文で両方の用法を比較してみましょう。
制限用法 | 非制限用法 |
---|---|
Students who study hard will pass the exam. | Students, who study hard, will pass the exam. |
(勉強熱心な学生は試験に合格するだろう) | (学生たちは勉強熱心で、試験に合格するだろう) |
制限用法では「勉強熱心な学生」だけを特定していますが、非制限用法では「学生たち」全員について言及し、その学生たちが勉強熱心であるという情報を追加しています。
制限用法 | 非制限用法 |
---|---|
The book which is on the table is mine. | The book, which is on the table, is mine. |
(テーブルの上にある本は私のものです) | (その本はテーブルの上にあり、私のものです) |
制限用法では「テーブルの上にある本」を特定していますが、非制限用法では「その本」がすでに特定されていて、それが「テーブルの上にある」という情報を加えています。
制限用法 | 非制限用法 |
---|---|
The teacher who teaches English is popular. | The teacher, who teaches English, is popular. |
(英語を教えている先生は人気があります) | (その先生は英語を教えていて、人気があります) |
制限用法では「英語を教えている先生」を特定していますが、非制限用法では「その先生」がすでに特定されていて、その先生が「英語を教えている」という情報を追加しています。
制限用法 | 非制限用法 |
---|---|
The city where I was born has changed a lot. | The city, where I was born, has changed a lot. |
(私が生まれた都市はとても変わりました) | (その都市は私が生まれた場所で、とても変わりました) |
制限用法では「私が生まれた都市」を特定していますが、非制限用法では「その都市」がすでに特定されていて、それが「私が生まれた場所である」という情報を付け加えています。
このように、制限用法と非制限用法では、同じような文でも意味が大きく異なります。特に文脈によっては、その違いが重要になることもあるので、両者の違いをしっかり理解することが大切です。
訳し方の違い – 制限用法は「~する・した」、非制限用法は「そして~」
制限用法と非制限用法は、日本語に訳す際の訳し方にも違いがあります。
制限用法の訳し方:
- 関係詞節を「~する・した」という連体修飾語として訳します
- 例:「The book which I bought yesterday is interesting.」 →「私が昨日買った本は面白い」
非制限用法の訳し方:
- 関係詞節を「そして~」「~で」「~が」などと訳し、独立した情報として扱います
- 例:「The book, which I bought yesterday, is interesting.」 →「その本は、私が昨日買ったものですが、面白いです」
さらに具体例で見てみましょう:
制限用法の例:
- 「People who live in glass houses shouldn’t throw stones.」 →「ガラスの家に住む人々は石を投げるべきではない」(ことわざ)
- 「The movie that we saw last week was excellent.」 →「私たちが先週見た映画は素晴らしかった」
- 「Students who don’t submit their homework will fail the course.」 →「宿題を提出しない学生は、コースに落第するだろう」
非制限用法の例:
- 「My father, who is a doctor, works at the city hospital.」 →「私の父は医者で、市立病院で働いています」
- 「Tokyo, which is the capital of Japan, has a population of over 13 million.」 →「東京は日本の首都で、1300万人以上の人口があります」
- 「The new smartphone, which costs over 100,000 yen, has many advanced features.」 →「その新しいスマートフォンは10万円以上しますが、多くの先進機能を持っています」
このように、制限用法と非制限用法では訳し方が異なります。非制限用法では、カンマで区切られた部分を独立した情報として訳すことで、補足的な性質が伝わるようにしましょう。
先行詞の捉え方 – 限定するか補足するか
制限用法と非制限用法の本質的な違いは、先行詞の捉え方にあります。
制限用法の先行詞:
- まだ特定されていない、複数の可能性がある中から一部を限定します
- 「the + 名詞」でも、どの~かを特定する必要がある場合に使用します
- 関係詞節は先行詞の本質的な部分として、その意味を完成させます
非制限用法の先行詞:
- すでに特定されている、一つだけのものに補足情報を加えます
- 固有名詞や、文脈ですでに特定されている「the + 名詞」に使われることが多いです
- 関係詞節は先行詞に追加される情報であり、なくても先行詞の意味は完全です
例えば、以下の文を考えてみましょう:
- 「The students who failed the test have to take it again.」(制限用法)
- 「学生たち」という集団の中から、「試験に落ちた」学生たちだけを限定しています
- 試験に合格した学生たちは、再試験を受ける必要はありません
- 「The students, who failed the test, have to take it again.」(非制限用法)
- 「学生たち」という集団全体について述べています
- すべての学生が試験に落ちて、全員が再試験を受ける必要があります
このように、制限用法は先行詞を限定・特定するためのものであり、非制限用法は先行詞にすでに特定されているものに対して補足情報を加えるためのものです。この違いを理解することで、英文の正確な意味を把握できるようになります。
入試問題で見分けるためのチェックポイント
大学入試や高校入試の問題で、制限用法と非制限用法を見分けるためのチェックポイントを以下にまとめます:
1. カンマの有無をチェック
- カンマがあれば非制限用法、なければ制限用法である可能性が高いです
- 例:「The book which I read」(制限用法)vs 「The book, which I read」(非制限用法)
2. 先行詞の性質を確認
- 固有名詞(人名、地名など)の後は非制限用法が使われることが多いです
- 例:「Tokyo, which is the capital of Japan」(非制限用法)
3. 文脈から先行詞が特定されているかを判断
- すでに特定されている場合は非制限用法、これから特定する必要がある場合は制限用法です
- 例:「The teacher who teaches math」(どの先生か特定するため制限用法)vs 「Our math teacher, who is very strict」(すでに特定されているため非制限用法)
4. 関係詞の種類を確認
- thatが使われていれば必ず制限用法です(thatは非制限用法では使えません)
- 例:「The car that I bought」(制限用法)
5. 関係詞の省略の有無をチェック
- 関係詞が省略されている場合は必ず制限用法です(非制限用法では省略できません)
- 例:「The book I bought」(関係詞whichが省略されているため制限用法)
6. 訳し方の自然さで判断
- 「~する・した」と訳すのが自然なら制限用法、「そして~」「~で」と訳すのが自然なら非制限用法です
- 例:「The students who study hard」(勉強熱心な学生たち→制限用法)vs 「The students, who study hard」(学生たちは勉強熱心で→非制限用法)
これらのチェックポイントを意識しながら問題を解くことで、制限用法と非制限用法の見分け方が身につきます。特にカンマの有無と先行詞の特定性に注目することが重要です。
よくある間違いと非制限用法の正しい使い方
非制限用法のwhichとthatの違い – thatが使えない理由
非制限用法では、物や事柄を指す関係代名詞としてwhichは使えますが、thatは使えません。この違いは多くの学生が間違えやすいポイントです。
thatが非制限用法で使えない理由:
- 歴史的・文法的理由
- thatは元々指示代名詞から発展した語で、限定的な意味合いが強いとされています
- 一方、whichはより説明的な性質を持っています
- 発音上の理由
- thatは弱く発音されることが多く、カンマで区切られる非制限用法の重要性を示すには不向きです
- whichは比較的強く発音され、補足情報を導入するのに適しています
- 文体上の理由
- 非制限用法は比較的フォーマルな文体で使われることが多く、whichの方がフォーマルな印象を与えます
- thatはよりカジュアルな印象があります
多くの入試問題では、非制限用法でthatを使った選択肢が誤りとして出題されます。例えば:
× 「My car, that I bought last year, is very fuel-efficient.」(誤り) ○ 「My car, which I bought last year, is very fuel-efficient.」(正しい)
英作文でも、非制限用法ではwhichを使い、thatは使わないよう注意しましょう。
非制限用法での関係詞の省略はできない理由
制限用法では、関係代名詞が目的格の場合に省略できることがありますが、非制限用法では関係詞を省略することはできません。
関係詞を省略できない理由:
- 明確さの確保
- 非制限用法は補足情報を提供するものであり、関係詞を省略すると主節と従属節の関係が不明確になります
- カンマだけでは、それが非制限用法の関係詞節なのか別の構造なのかが判断しづらくなります
- 文法的必要性
- 非制限用法の関係詞は、先行詞と補足情報を明確につなぐ役割があり、省略すると文の構造が不完全になります
- 発音上の区切り
- 非制限用法では、関係詞の前で一度区切って発音するため、その区切りを明確にする関係詞が必要です
誤った例と正しい例を比較してみましょう:
× 「My teacher, I met yesterday, gave me some advice.」(誤り) ○ 「My teacher, whom I met yesterday, gave me some advice.」(正しい)
× 「This book, I bought recently, is very interesting.」(誤り) ○ 「This book, which I bought recently, is very interesting.」(正しい)
入試問題でも、非制限用法で関係詞が省略されている選択肢は誤りとして出題されることがあります。この点は特に注意しましょう。
whereとwhichの使い分け – 場所を表す非制限用法
場所を表す先行詞の後では、関係副詞のwhereか関係代名詞のwhichを使うことができますが、使い分けには注意が必要です。
whereを使う場合:
- 先行詞が純粋な「場所」を表す名詞(place, city, country, room など)の場合
- 例:「Kyoto, where many traditional festivals are held, is a popular tourist destination.」 (多くの伝統的な祭りが開催される京都は、人気の観光地です)
前置詞 + whichを使う場合:
- 先行詞が場所でも、より具体的な関係を示したい場合
- 例:「Kyoto, in which many traditional festivals are held, is a popular tourist destination.」 (多くの伝統的な祭りが開催される京都は、人気の観光地です)
- 先行詞が場所以外の意味も含む場合
- 例:「The museum, which we visited last week, has a new exhibition.」 (先週訪れた美術館には、新しい展示があります) ※ ここでのmuseumは「建物」という物理的場所と「組織」という抽象的概念の両方を含むため
両者の微妙な違い:
- whereは「そこで」という場所の副詞的なニュアンスが強い
- in/at/on + whichは「それで」という代名詞的な性質が強く、前置詞によって関係性をより明確に示せる
例えば、以下の文を比較してみましょう:
- 「London, where I lived for three years, is very expensive.」 (3年間住んでいたロンドンは、とても物価が高いです)
- 「London, in which I lived for three years, is very expensive.」 (3年間住んでいたロンドンは、とても物価が高いです)
意味はほぼ同じですが、whereの方がよりシンプルで自然な表現です。一方、「in which」は少しフォーマルな印象を与えます。
英作文では、単純な場所関係ならwhereを使い、特定の前置詞で関係を示したい場合は「前置詞 + which」を使うとよいでしょう。どちらも非制限用法では正しい表現です。
非制限用法特有の表現パターンと覚え方
非制限用法には、特有の表現パターンがいくつかあります。これらのパターンを覚えておくと、長文読解や英作文で役立ちます。
1. 先行詞が文全体の場合
- 文全体を先行詞とする非制限用法は、which一択です
- 例:「He failed the exam, which disappointed his parents.」 (彼は試験に失敗した、そのことが両親を失望させた)
覚え方: 「文全体→which」と覚える
2. 挿入句としての非制限用法
- 文の途中に情報を挿入する形で使うことがあります
- 例:「My brother, who by the way is a doctor, will visit us next week.」 (ちなみに医者である私の兄は、来週私たちを訪ねる予定です)
覚え方: 「補足情報はカンマで挟む」と覚える
3. 同格的な非制限用法
- 先行詞の内容を言い換えたり、詳しく説明したりする用法
- 例:「His dream, which is to become a professional musician, keeps him motivated.」 (プロの音楽家になるという彼の夢が、彼にやる気を与え続けています)
覚え方: 「which is to ~ = すなわち~」と覚える
4. 結果を表す非制限用法
- 先行詞(多くは文全体)の結果を表す場合
- 例:「He worked hard for the exam, which resulted in his success.」 (彼は試験のために一生懸命勉強した、そしてそれが彼の成功という結果になった)
覚え方: 「which resulted in ~ = その結果~になった」と覚える
5. 固有名詞 + 非制限用法のパターン
- 固有名詞の後に追加情報を与える非制限用法
- 例:「Mr. Tanaka, who teaches us English, will retire next year.」 (私たちに英語を教えている田中先生は、来年退職します)
覚え方: 「固有名詞の後はカンマ + which/who」と覚える
これらのパターンは、入試でもよく出題されます。特に「先行詞が文全体」のパターンや「固有名詞 + 非制限用法」のパターンは頻出ですので、しっかり覚えておきましょう。
大学入試・共通テストで頻出の非制限用法問題
過去の入試問題に見る非制限用法の出題パターン
大学入試や共通テストでは、非制限用法に関する問題が様々なパターンで出題されています。以下に主な出題パターンを紹介します。
1. 空所補充問題
- 関係詞を選ぶ問題が最も一般的です
- 例:「Tokyo Tower, ( ) was built in 1958, is similar to the Eiffel Tower.」 (選択肢:that, which, where, when)
- 非制限用法であることを見抜き、thatではなくwhichを選ぶ必要があります
2. 正誤判断問題
- 非制限用法の文法的な正しさを問う問題
- 例:「Is the following sentence grammatically correct?」 「My father, that works for a bank, will retire next year.」
- 非制限用法でthatが使われているため、誤りと判断します
3. 同義文選択問題
- 与えられた文と同じ意味の文を選ぶ問題
- 例:「Choose the sentence with the same meaning.」 「The students who passed the exam received certificates.」 (選択肢には制限用法と非制限用法の両方が含まれる)
- 制限用法と非制限用法の意味の違いを理解して選ぶ必要があります
4. 和文英訳問題
- 日本語を英語に訳す問題で、非制限用法を使う必要がある場合
- 例:「東京にある私の学校は、1000人以上の生徒がいます。」 (My school, which is located in Tokyo, has more than 1,000 students.)
- 適切に非制限用法を用いて英訳する必要があります
5. 長文中の非制限用法の理解
- 長文読解問題の中で、非制限用法を含む文の意味を問う問題
- 文全体の意味を正確に理解するために、非制限用法の役割を把握する必要があります
東京大学や京都大学などの難関大学では、関係詞の用法の違いを深く理解していることを問う問題が出題されることがあります。また、共通テストでも、文脈から適切な関係詞を選ぶ問題が出題されています。これらの問題に対応するには、非制限用法の基本的な理解と、様々なパターンへの対応力が必要です。
関係代名詞の非制限用法に関する入試問題の解き方
関係代名詞の非制限用法に関する入試問題を解くための具体的なアプローチを紹介します。
STEP 1: カンマの有無を確認する
- 問題文中にカンマがあるかどうかをまず確認します
- カンマがあれば非制限用法である可能性が高いです
STEP 2: 先行詞の種類を確認する
- 先行詞が人なのか物なのかを確認します
- 人→who/whom/whose、物→which、場所→where/in which などを使い分けます
STEP 3: 関係詞の文中での役割を確認する
- 関係詞が主語なのか目的語なのか所有格なのかを確認します
- 主語→who/which、目的語→whom/which、所有格→whose
STEP 4: 非制限用法の特別ルールを適用する
- thatは使えないことを確認します
- 関係詞の省略ができないことを確認します
例題1(空所補充): 「My father, ( ) works for a bank, will retire next year.」 (選択肢:that, which, who, whom)
解答手順:
- カンマがあるので非制限用法です
- 先行詞は「My father」なので人を表します
- 関係詞は「works」の主語になるので主格が必要です
- 人+主格+非制限用法→whoが正解です(thatは非制限用法で使えません)
例題2(誤り訂正): 「Tokyo, that is the capital of Japan, has a population of over 13 million.」
解答手順:
- カンマがあるので非制限用法です
- 非制限用法ではthatは使えません
- 先行詞は「Tokyo」で物(都市)を表します
- 関係詞は「is」の主語なので主格が必要です
- 物+主格+非制限用法→thatをwhichに訂正します
例題3(和文英訳): 「私の兄は、医者になりたいと思っている人ですが、まだ大学生です。」
解答手順:
- 「私の兄は」が主節で、「医者になりたいと思っている人ですが」が非制限用法による補足です
- 先行詞は「私の兄」なので人を表します
- 関係詞は「思っている」の主語なので主格が必要です
- 人+主格+非制限用法→whoを使います
- 「My brother, who wants to become a doctor, is still a university student.」
関係代名詞の非制限用法の問題を解く際は、このようなステップで考えることで、正確に答えを導くことができます。特に、thatが使えないこと、関係詞が省略できないことに注意しましょう。
関係副詞の非制限用法に関する入試問題の解き方
関係副詞(where, when, why)の非制限用法に関する入試問題も、一定のパターンで出題されます。以下に解き方を示します。
STEP 1: カンマの有無を確認する
- カンマがあれば非制限用法である可能性が高いです
STEP 2: 先行詞の種類を確認する
- 場所を表す名詞→where
- 時を表す名詞→when
- 理由を表す名詞(reason)→why(または前置詞 + which)
STEP 3: 適切な関係副詞を選ぶ
- 場所の場合、whereまたは前置詞 + whichを検討します
- 時の場合、whenまたは前置詞 + whichを検討します
- 理由の場合、whyまたはfor whichを検討します
例題1(空所補充): 「Kyoto, ( ) many traditional festivals are held, is a popular tourist destination.」 (選択肢:that, which, where, when)
解答手順:
- カンマがあるので非制限用法です
- 先行詞は「Kyoto」で場所を表します
- 場所+非制限用法→whereが適切です(that不可、whichも不自然)
例題2(書き換え): 「2020, in which the Olympic Games were held in Tokyo, was a difficult year.」を関係副詞を使って書き換えなさい。
解答手順:
- 「in which」は時を表す先行詞「2020」に対する非制限用法です
- 時を表す先行詞+非制限用法→whenに書き換えられます
- 「2020, when the Olympic Games were held in Tokyo, was a difficult year.」
例題3(前置詞 + 関係代名詞の選択): 「London, ( ) I lived for three years, is very expensive.」 (選択肢:where, when, in where, in which)
解答手順:
- カンマがあるので非制限用法です
- 先行詞は「London」で場所を表します
- 「live in London」という表現から、「in which」または「where」が可能です
- 「in where」は文法的に誤りです(whereは関係副詞なので前置詞と一緒に使えない)
- whereまたはin whichが正解(どちらも可)
関係副詞の非制限用法を扱う問題では、先行詞が表す意味(場所、時間、理由)を正確に把握し、適切な関係副詞または「前置詞 + which」を選ぶことが重要です。特に、「前置詞 + where」のような誤った形に注意しましょう。
非制限用法の問題で得点するためのテクニック
非制限用法の問題で確実に得点するためのテクニックをいくつか紹介します。
1. カンマの有無を最初のヒントにする
- 関係詞の前後にカンマがあれば、まず非制限用法を疑いましょう
- カンマ有り→非制限用法→that不可、関係詞省略不可という連想で考えます
2. 先行詞の特定性を判断する
- 先行詞がすでに特定されているかどうかを文脈から判断します
- 固有名詞、唯一のもの、「my/his/her + 単数名詞」などは非制限用法の可能性が高いです
3. 選択肢にthatがあれば消去法を活用する
- 非制限用法が確定したら、thatを含む選択肢は即座に消去できます
- 残りの選択肢から適切なものを選びます
4. 関係詞の文中での役割を明確にする
- 関係詞節の動詞や前置詞に注目して、関係詞の役割(主語/目的語/所有格)を特定します
- 例えば、関係詞の後に主語+動詞がある場合、関係詞は目的語の役割です
5. 訳し方のテストを行う
- 「~する・した」と訳せば制限用法、「そして~」「~で」と訳せば非制限用法という判断を行います
- 両方の訳し方を試して、文脈に合うかどうかを確認します
6. 長文問題での非制限用法の把握
- 長文中の非制限用法は、著者が補足情報を提供している部分と捉えます
- その情報が主要な内容なのか、補足的な内容なのかを区別することで、文章の構造が理解しやすくなります
7. 和文英訳での非制限用法の活用
- 日本語の「~であるが」「~であり」などの表現は、非制限用法で訳せる可能性があります
- 補足情報を非制限用法で表現することで、より自然な英語になります
これらのテクニックを駆使することで、非制限用法に関する問題の正答率を高めることができます。特に、カンマの有無と先行詞の特定性の判断は、非制限用法を見極める上で最も重要なポイントです。
非制限用法を効率的に学習するための方法
効果的な非制限用法の暗記法と練習問題
非制限用法を効率的に学習するためには、体系的な暗記法と効果的な練習が欠かせません。以下に具体的な方法を紹介します。
1. パターン化して暗記する
- 非制限用法の基本パターンを覚えましょう
- 人+who/whom/whose
- 物+which
- 場所+where
- 時+when
- 文全体+which
- これらのパターンを例文と共に暗記します
2. カード学習法の活用
- 表面に日本語文、裏面に対応する非制限用法を含む英文を書いたカードを作成します
- 例:「東京に住んでいる私の兄は医者です」→「My brother, who lives in Tokyo, is a doctor.」
- 繰り返し練習することで、パターンが定着します
3. 制限用法と非制限用法の変換練習
- 制限用法の文を非制限用法に、非制限用法の文を制限用法に変換する練習をします
- 例:「The book which I bought yesterday is interesting.」→「The book, which I bought yesterday, is interesting.」
- 変換によって意味がどう変わるかを意識しましょう
4. 穴埋め問題の活用
- 「My father, ( ) works for a bank, will retire next year.」のような穴埋め問題を解きます
- 先行詞の種類、関係詞の役割、非制限用法のルールを考慮して答えを選びます
5. 短文作成トレーニング
- 与えられた単語を使って、非制限用法を含む短文を作る練習をします
- 例:「brother / live / Tokyo / doctor」→「My brother, who lives in Tokyo, is a doctor.」
- 自分で文を作ることで、より深く理解できます
6. 誤り訂正問題の活用
- 非制限用法に関する誤りを含む文を修正する練習をします
- 例:「My car, that I bought last year, is very fuel-efficient.」→「My car, which I bought last year, is very fuel-efficient.」
- 誤りを訂正することで、非制限用法のルールが定着します
7. 過去問演習
- 大学入試や共通テストの過去問から、非制限用法に関する問題を集めて解きます
- 解説をしっかり読み、なぜその答えが正しいのかを理解します
これらの学習方法を組み合わせ、繰り返し練習することで、非制限用法への理解が深まり、入試でも確実に対応できるようになります。特に、パターン化して暗記し、実際に自分で文を作る練習が効果的です。
非制限用法を実際の英文で発見するトレーニング
実際の英文の中で非制限用法を見つけ、理解するトレーニングは、読解力向上に大いに役立ちます。以下に具体的な方法を紹介します。
1. 英文記事を活用する
- 新聞記事やウェブサイトの英文記事を読み、カンマで区切られた関係詞を見つけます
- 特に、The Japan Times、CNN、BBCなどの英語ニュースサイトは良い教材になります
- 見つけた非制限用法の部分に印をつけ、どのような補足情報が提供されているか考えます
2. 英語の小説や物語を読む
- 英語の物語や小説では、人物や場所の描写に非制限用法がよく使われます
- 例:「Mr. Smith, who lived next door, was a retired teacher.」
- このような表現を集め、どのように人物や場所が描写されているかを分析します
3. 英語のエッセイを読む
- 英語のエッセイでは、論点を補強するために非制限用法がよく使われます
- 例:「This theory, which was proposed by Einstein, revolutionized physics.」
- このような表現を見つけ、どのように補足情報が提供されているかを分析します
4. 高校や大学の教科書を読む
- 英語の教科書には、重要な概念を説明する際に非制限用法がよく使われます
- 例:「Photosynthesis, which occurs in green plants, is the process of converting light energy into chemical energy.」
- このような表現を集め、どのように概念が説明されているかを理解します
5. 英語の広告や説明書を読む
- 製品の説明や広告にも、非制限用法がよく使われます
- 例:「Our new smartphone, which features a high-resolution camera, will be released next month.」
- このような表現を見つけ、どのように製品が説明されているかを分析します
6. 実際の入試問題の長文を読む
- 過去の入試問題の長文には、非制限用法がよく含まれています
- これらを注意深く読み、非制限用法の部分がどのような役割を果たしているかを考えます
7. 音読して感覚をつかむ
- 非制限用法を含む文を音読し、カンマの位置で少し間を取るようにします
- これにより、非制限用法の感覚が身につきます
実際の英文で非制限用法を見つけるトレーニングを続けることで、英文の構造を理解する力が養われます。また、非制限用法がどのように使われているかの感覚もつかめるようになり、英作文でも自然に使えるようになります。
英作文で使いこなすための非制限用法のポイント
英作文で非制限用法を効果的に使えるようになると、より自然で豊かな表現が可能になります。以下に、英作文で非制限用法を使いこなすためのポイントを紹介します。
1. 補足情報を加える場面で活用する
- 主要な情報に追加の情報を加えたいときに非制限用法を使います
- 例:「My hometown, which is located in southern Japan, has beautiful beaches.」
- 主要情報(my hometownには美しいビーチがある)に補足情報(南日本に位置する)を加えています
2. 複雑な情報を整理して伝える
- 長い文を書く際に、情報を整理するために非制限用法を活用します
- 例:「The new policy, which was announced last week, will take effect from next month.」
- 主な情報と補足情報を区別することで、読み手に伝わりやすくなります
3. 固有名詞に説明を加える
- 固有名詞(人名、地名など)に説明を加える際に非制限用法を使います
- 例:「Mount Fuji, which is the highest mountain in Japan, attracts many tourists.」
- 固有名詞への補足説明は、非制限用法の最も基本的な使い方です
4. 文と文をつなげる手段として活用する
- 二つの文を一つにまとめる際に非制限用法を使います
- 例:「He failed the exam. This disappointed his parents.」 →「He failed the exam, which disappointed his parents.」
- 文のつながりがスムーズになり、より洗練された表現になります
5. 文全体に対するコメントを加える
- 文全体に対して自分の考えや反応を加える際に非制限用法を使います
- 例:「The price of oil has increased again, which is bad news for consumers.」
- 事実に対する評価や意見を非制限用法で加えることができます
6. 関係詞の選択に注意する
- 適切な関係詞(who, which, where, when など)を選びます
- 人→who/whom/whose、物→which、場所→where、時→whenという基本ルールを守ります
- 例:「My teacher, who has taught me for three years, is retiring next year.」
7. カンマの位置に注意する
- 非制限用法では、関係詞の前と関係詞節の終わりにカンマを忘れずに入れます
- 例:「My car, which I bought last year, is very fuel-efficient.」
- カンマの有無で意味が変わるので特に注意しましょう
実際の入試の英作文問題では、より複雑な内容を表現する必要があることも多いですが、非制限用法を適切に使うことで、情報を整理し、読みやすい文章を書くことができます。日頃から簡単な英文を書く際にも非制限用法を意識して使うことで、徐々に使いこなせるようになります。
家庭でできる非制限用法の学習サポート方法
受験生のお子さんを持つご家庭で、非制限用法の学習をサポートする方法をいくつか紹介します。
1. 一緒に例文を作るゲーム
- 身近な人や物について、非制限用法を使った文を一緒に作ります
- 例:「Our dog, which we adopted last year, loves to play in the park.」
- 家族や友人、学校、趣味などの身近な話題で練習すると定着しやすいです
2. 英字新聞や雑誌から非制限用法を探す
- 英字新聞や英語の雑誌などから、非制限用法の例を探す活動を一緒にします
- 見つけた例文をノートにまとめ、どのような補足情報が加えられているかを話し合います
3. 映画やドラマのセリフに注目する
- 英語の映画やドラマを見る際に、非制限用法が使われているセリフに注目します
- 字幕と音声を比較し、どのように訳されているかを確認します
4. フラッシュカードの活用
- 非制限用法の基本パターンや例文をフラッシュカードにして、短時間で繰り返し練習します
- スマートフォンのアプリなどを活用すると便利です
5. 問題の作り合い
- 親子でお互いに非制限用法の問題を作り合います
- 例:「Tokyo, ( ) is the capital of Japan, has a population of over 13 million.」
- 作った問題を解き合うことで、理解度を確認できます
6. 音読の習慣づけ
- 非制限用法を含む例文を音読する習慣をつけます
- カンマの位置で少し間を取って読むことで、非制限用法の感覚がつかめます
7. 英語の歌詞に注目する
- 英語の歌詞の中に非制限用法が使われている箇所を探します
- 好きな曲の歌詞を分析することで、楽しく学習できます
8. オンライン教材の活用
- 独立行政法人日本学生支援機構のウェブサイト(https://www.jasso.go.jp)や文部科学省(https://www.mext.go.jp)などが提供する英語学習教材を活用します
- 信頼性の高い教材を選ぶことが重要です
家庭での学習サポートでは、楽しみながら継続的に取り組むことが大切です。また、お子さんが間違えた場合でも、すぐに正解を教えるのではなく、なぜそう考えたのかを尋ね、理解を深める機会にすることが効果的です。
非制限用法は一度理解すれば比較的簡単に習得できる文法項目ですが、制限用法との違いや使い分けについては繰り返し練習することが重要です。家庭での学習サポートを通じて、お子さんの英語力向上をサポートしましょう。
まとめ
非制限用法とは、関係詞を使って先行詞に補足情報を加える用法です。最大の特徴は、関係詞の前後にカンマが置かれることです。制限用法が先行詞を限定・特定するのに対して、非制限用法はすでに特定されている先行詞に追加情報を与えます。
非制限用法の重要ポイントは以下の通りです:
- カンマの有無が意味を大きく変える
- 非制限用法ではthatは使えない
- 関係詞の省略はできない
- 先行詞が文全体になることもある
- 固有名詞の後には非制限用法が使われることが多い
非制限用法で使える関係詞には、関係代名詞(which, who, whom, whose)と関係副詞(where, when, why)があります。それぞれ、先行詞の種類や関係詞の役割によって使い分けます。
入試問題では、カンマの有無による意味の違い、適切な関係詞の選択、訳し方の違いなどが出題されます。これらの問題に対応するためには、非制限用法の基本的な特徴と、制限用法との違いをしっかり理解することが大切です。
非制限用法を効率的に学習するためには、パターン化して暗記し、実際の英文で見つけるトレーニングを行い、英作文で使いこなす練習をすることが効果的です。家庭でも、一緒に例文を作ったり、英字新聞から例を探したりするなど、様々な方法で学習をサポートすることができます。
非制限用法は、英語の文章を読む際の理解力を深め、書く際の表現力を豊かにする重要な文法項目です。基本をしっかり押さえ、繰り返し練習することで、確実に習得していきましょう。